キャッシュ・フロー計算書は、一会計期間のキャッシュ・フローを確認・報告するための帳票です。
表示区分は「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」、および「財務活動によるキャッシュ・フロー」の3つに区分されます。
A-SaaSシステムでは、キャッシュ・フロー計算書は入力された会計データから自動的に作成されます。
具体的には、科目ごとの期中取引額や期首・期末残高を、キャッシュ・フロー計算書の各項目に連動させます。直接法・間接法いずれの場合においても初期設定されていますので、修正が必要となる場合は該当する科目の設定を編集します。
- A-SaaSキャッシュ・フロー計算書は、個人の会計データには未対応です。
- 企業・事業主様用システムでは利用できるシステムに制限がある場合があります。 詳細は契約会計事務所様にご確認ください。
- 「新・会計システム」の仕様・制限事項等について、詳細はこちらをご参照ください。
目次
キャッシュ・フロー計算書を表示する
- 「業務から選ぶ」>「01 会計業務」>「分析」>「63 キャッシュ・フロー計算書」をクリックします。
- 顧問先を選択します。
参考仕訳入力等の業務メニューを開いている場合は、メニューバー[帳票]>「キャッシュ・フロー計算書」をクリックすることで同一顧問先の画面を表示することができます。
- 選択した顧問先のキャッシュ・フロー計算書画面が表示されます。
画面の説明
- 全体レイアウト
番号 名称 説明 ① メニューバー 各種設定画面や、帳票画面を呼び出すメニューが表示されます。 ② 機能ボタン 仕訳入力や元帳画面などにワンクリックで移動するボタンです。 ③ 月締処理 チェック依頼・月締処理設定をします。 ④ 計算書/科目設定切替 「計算書」・「科目設定」を切り替えます。 ⑤ 様式 「間接法」・「直接法」を切り替えます。 ⑥ 金額0円の項目を表示する 金額のない項目の表示/非表示を切り替えます。 ⑦ 初期化 表示している「計算書」・「科目設定」の内容を初期化します。 ⑧ CSV キャッシュ・フロー計算書のCSVダウンロードをおこないます。 ⑨ 印刷 キャッシュ・フロー計算書の印刷をおこないます。 ⑩ 期間指定 何月現在まで表示するか指定します。 ⑪ 決算整理月 期末月現在に設定した場合、決算整理月を含める場合はチェックを入れます。 ⑫ 表示エリア キャッシュ・フロー計算書を表示するエリアです。 - キャッシュ・フロー計算書の各項目について
項目 説明 集計金額 各項目に会計データから自動的に金額が集計されます。
集計先の設定は科目設定にて変更可能です。調整金額・調整後金額 調整が必要な場合「調整金額」に入力します。
「集計金額」+「調整金額」が「調整後金額」に表示され、最終的なキャッシュ・フロー計算書の数値となります。Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー(小計まで) 間接法 税引前当期純利益(損失)を出発点に、必要な調整をおこなって小計を算出します。 直接法 「営業収入」・「原材料又は商品の仕入支出」・「人件費支出」・「その他の営業収入」・「その他の営業支出」・「未払消費税等の増減額」の項目を合計して小計を算出します。 Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー(小計より下) 小計までの区分、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分、「投資活動に係るキャッシュ・フロー」の区分いずれにも該当しない項目が集計されます。 Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動に係るキャッシュ・フロー項目が集計されます。 Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動に係るキャッシュ・フロー項目が集計されます。 Ⅳ 現金及び現金同等物にかかる換算差額 為替の変動により生じた現金及び現金同等物の増減額が集計されます。 Ⅴ 現金及び現金同等物の増加額 上記ⅠからⅣまでのキャッシュ・フロー合計額が集計されます。値がマイナスの場合は減少額を意味します。 Ⅵ 現金及び現金同等物の期首残高 現金と現金同等物(流動性預金など・科目設定にて変更可能)の期首残高が集計されます。 Ⅶ 現金及び現金同等物の期末残高 現金と現金同等物の期末残高が集計されます。 現金及び現金同等物の増減額差異(Ⅶ-Ⅵ-Ⅴ) 現金と現金同等物の期末残高と期首残高の差額と、算出されたキャッシュ・フロー合計額との差異が算出表示されます。
差異がある場合は、「調整金額」欄の金額を編集するか、科目設定を編集して一致させます。 - ショートカットキーについて
画面右上の[ショートカット一覧]をクリックするか、キーボードで[Ctrl]+[?]キーを押下するとショートカットキー一覧が表示されますのでご参照ください。
*新・会計システム各画面のショートカット一覧はこちらの「新・会計 ショートカット一覧」をご参照ください。
金額を調整する
- 調整したい項目をダブルクリックすると編集状態になります。適宜金額を入力します。
- [ENTER]キーを押下すると、調整金額の内容が確定されます。
科目設定を編集する
各キャッシュ・フロー項目に連動する金額は、科目毎に細かく初期設定されています。
会計の科目登録での編集等によって、実際のキャッシュ・フローとの差異が生じている場合は、「科目設定」にて連動させるキャッシュ・フロー項目を編集します。
- 「科目設定」をクリックして科目設定画面を表示します。
- 編集したい科目の行をダブルクリックすると編集状態になります。適宜プルダウンリストからキャッシュ・フロー項目を選択します。
- キャッシュ・フロー項目を選択すると各項目が自動的にセットされます。
一部の科目の場合は別途設定が可能です。各項目の詳細は以下です。番号 名称 説明 ① 勘定科目 会計データ上の科目名です。科目毎に連動するキャッシュ・フロー項目が設定されています。 ② キャッシュ・フロー項目 科目が連動するキャッシュ・フロー項目の設定です。
- 対象外・・・「対象外」を選択した貸借側の金額は連動されません。
- 現金及び現金同等物・・・当該科目の期首残高は「Ⅵ 現金及び現金同等物の期首残高」に、期末残高は「Ⅶ 現金及び現金同等物の期末残高」に集計されます。
③ 計算タイプ 空欄 キャッシュ・フロー項目に「対象外」を選択した場合など、連動項目がない状態です。 増減額 間接法において特定のキャッシュ・フロー項目を選択した場合にセットされる連動方式です。集計期間末における当該科目の期中取引累計残高が選択したキャッシュ・フロー項目に連動されます。
貸借どちらに入力するかは問いませんが「Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計の上・およびそれ以外の二つの別項目に連動させる必要があります。借方合計 当該科目の借方に入力された金額が選択したキャッシュ・フロー項目に連動します。 貸方合計 当該科目の貸方に入力された金額が選択したキャッシュ・フロー項目に連動します。 ④ 符号 + プラスの金額で連動します。 - マイナスの金額で連動します。 参考初期設定では、直接法の減価償却費の借方には「有形固定資産の売却による収入」をマイナスするというキャッシュ・フロー項目が設定されています。
減価償却費は非現金取引ですが、有形固定資産が貸方に入力された場合に売却があったものと考えるために「有形固定資産の売却による収入」をプラスするというキャッシュ・フロー項目が設定されていることに対応するための設定です。
例)直接法で以下の通り減価償却費を計上した場合
借方 貸方 金額 減価償却費 有形固定資産 10,000 貸方に有形固定資産が10,000入力されているために、「有形固定資産の売却による収入」が10,000計上されてしまうことになります。
これを相殺して非現金取引とするために、減価償却費の借方に入力があった場合に「有形固定資産の売却による収入」を-10,000計上する仕組みになっています。 - [ENTER]キーを押下すると、内容が確定されます。
調整金額、科目設定を初期化する
調整金額の入力および、任意に設定した科目設定を初期化します。初期化前に戻すことはできません。
- 「計算書」または「科目設定」の画面で[初期化]をクリックします。
- 確認メッセージが表示されますので、[OK]をクリックします。
<計算書画面>
<科目設定画面>
キャッシュ・フロー計算書のCSVダウンロード
- 計算書の画面で[CSV]をクリックします。
- [取得]をクリックします。
- 必要に応じてファイル名を変更し、保存先を指定して[保存]をクリックします。
キャッシュ・フロー計算書の印刷
- 計算書の画面で[印刷]をクリックするか[F7]キーを押下します。
- 各種設定をおこない、[印刷]をクリックします。
- 別タブにPDF表示されるので、ブラウザから印刷をおこないます。ダウンロード等でそのままPDFとして保存することも可能です。
(参考)業種別科目体系における追加編集のお願い
キャッシュ・フロー計算書の科目設定の初期値は「A-SaaS標準 法人全科目」をベースにしています。
A-SaaS標準の業種別の科目体系を利用する場合、一部科目について初期設定内容が「A-SaaS標準 法人全科目」の場合と異なるため、「科目設定」画面において、キャッシュ・フロー項目との関連付けを編集していただく必要があります。
詳細はこちらのページをご参照ください。