キャッシュ・フロー計算書は、一会計期間のキャッシュ・フローを確認・報告するための帳票です。
表示区分は「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」、および「財務活動によるキャッシュ・フロー」の3つに区分されます。
A-SaaSシステムでは、キャッシュ・フロー計算書は入力された会計データから自動的に作成されます。
具体的には、科目ごとの期中取引額や期首・期末残高を、キャッシュ・フロー計算書の各項目に連動させます。直接法・間接法いずれの場合においても初期設定されていますので、修正が必要となる場合は該当する科目の設定を編集します。
尚、A-SaaSキャッシュ・フロー計算書は、個人の会計データには対応しておりません。
キャッシュ・フロー計算書の見方
- A-SaaS メニューで、[業務から選ぶ] のタブをクリックし、左側の[業務一覧] から[01 会計業務]を選択すると右側にメニューが表示されます。[キャッシュ・フロー計算書]をクリックすると[データ選択]画面が表示されます。顧問先を選択し、[OK]をクリックします。
- [計算書]タブが選択されている状態で、画面右上のリストから[間接法]または[直接法]を選択します。画面の見方は以下のとおりです。
項目 説明 集計期間(◯◯月現在) 初期値では年度末の月が入力され、[決算整理月]にチェックが入っています。[決算整理月]チェックを外すと、決算整理月に入力されたデータは連動されません。その他、必要に応じて月を入力し、集計期間を変更します。 金額0円の項目を表示しない 初期値ではチェックが入っていません。チェックを入れることにより、金額のない項目が表示されなくなります。 集計金額 「集計金額」の列には、各キャッシュ・フロー項目に会計データから自動的に金額が集計されます。これは、各キャッシュ・フロー項目に科目からの連動が初期設定されていることによります。科目設定を編集する方法については、科目設定方法をご参照下さい。 調整金額・調整後金額 「集計金額」の金額に、「調整金額」を加えたものが「調整後金額」となり、「調整後金額」が最終的なキャッシュ・フロー計算書の数値となります。「調整金額」の入力方法については、金額編集方法を参照下さい。 Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー(小計まで) 間接法 税引前当期純利益(損失)を出発点に、必要な調整を行って小計を算出します。 直接法 「営業収入」「原材料又は商品の仕入支出」「人件費支出」「その他の営業収入」「その他の営業支出」「未払消費税等の増減額」の項目を合計して小計を算出します。 Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー(小計より下) 小計までの区分、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分、「投資活動に係るキャッシュ・フロー」の区分いずれにも該当しない項目が集計されます。 Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー 「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、投資活動に係るキャッシュ・フロー項目が集計されます。 Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー 「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、財務活動に係るキャッシュ・フロー項目が集計されます。 Ⅳ 現金及び現金同等物にかかる換算差額 為替の変動により生じた現金及び現金同等物の増減額が集計されます。 Ⅴ 現金及び現金同等物の増加額 上記ⅠからⅣまでのキャッシュ・フロー合計額が集計されます。値がマイナスの場合は減少額を意味します。 Ⅵ 現金及び現金同等物の期首残高 現金と現金同等物(流動性預金など・科目設定にて変更可能)の期首残高が集計されます。 Ⅶ 現金及び現金同等物の期末残高 現金と現金同等物の期末残高が集計されます。 現金及び現金同等物の増減額差異(Ⅶ-Ⅵ-Ⅴ) 現金と現金同等物の期末残高と期首残高の差額と、算出されたキャッシュ・フロー合計額との差異が算出表示されます。差異がある場合は、「調整金額」欄の金額を編集するか、科目設定を編集して一致させます。
金額編集方法
- 「調整金額」欄の金額を編集するには、該当するキャッシュ・フロー項目を選択して、F4[金額編集]をクリックします。
- 「調整金額」欄が編集可能となるので、金額を入力し、Enterキーを押します。「調整後金額」が修正されたことを確認します。
- 次行にカーソルが移るので、入力を終了する場合は、キーボードのESCキーを押すか、またはESC[キャンセル]をクリックします。
印刷方法
- 印刷するには、F7[印刷]をクリックします。
- 各種印刷設定をおこなった上で、[印刷プレビュー][PDF化][印刷][CSV保存]のいずれかをクリックします。
- 印刷イメージは、以下のようになります(以下は間接法の例です)。
科目設定
各キャッシュ・フロー項目に連動する金額は、科目毎に細かく初期設定されていますが、科目登録画面での編集等によって、実際のキャッシュ・フローとの差異が生じることがあります。このような場合は、「科目設定」画面にて、連動させるキャッシュ・フロー項目を編集します。
*初期設定は、「A-SaaS標準 法人全科目」をベースにしているため、業種別科目等を使用する場合には特定の編集が必要となります。詳細につきましては、こちらのページをご参照下さい。
- A-SaaS メニューで、[業務から選ぶ] のタブをクリックし、左側の[業務一覧] から[01 会計業務]を選択すると右側にメニューが表示されます。[キャッシュ・フロー計算書]をクリックすると表示される[データ選択]画面で該当する顧問先を選択し、[OK]をクリックします。
- 科目設定を編集する場合は、画面左上の[科目設定]タブを選択し、画面右上で直接法または間接法を選択します。編集する科目を選択して、F4[項目編集]をクリックします。
- 借方キャッシュ・フロー項目、または貸方キャッシュ・フロー項目のプルダウンリストを表示し、一覧の中から設定するべき項目を選択します。
- キャッシュ・フロー項目を選択すると、各項目が自動的にセットされます。一部の科目の場合は、別途設定することができます。各項目の意味は以下の通りです。
項目 説明 ① 会計データ上の科目名です。科目毎に連動するキャッシュ・フロー項目が設定されています。 ② 科目が連動するキャッシュ・フロー項目の設定です。[項目編集]することで変更可能です。 ③ 空欄 キャッシュ・フロー項目に「対象外」を選択した場合など、連動項目がない状態です。 増減額 間接法において特定のキャッシュ・フロー項目を選択した場合にセットされる連動方式です。集計期間末における当該科目の期中取引累計残高が、選択したキャッシュ・フロー項目に連動されます。貸借どちらに入力するかは問いませんが、「Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計の上・およびそれ以外の二つの別項目に連動させる必要があります。 借方合計 当該科目の借方に入力された金額が、選択したキャッシュ・フロー項目に連動します。 貸方合計 当該科目の貸方に入力された金額が、選択したキャッシュ・フロー項目に連動します。 ④ + プラスの金額で連動します。 - マイナスの金額で連動します。 *キャッシュ・フロー項目に「対象外」を選択した場合は、その科目の選択した貸借側の金額は連動されません。
また、「現金及び現金同等物」を選択した場合は、当該科目の期首残高は「Ⅵ 現金及び現金同等物の期首残高」に、期末残高は「Ⅶ 現金及び現金同等物の期末残高」に集計されます。参考初期設定では、直接法の減価償却費の借方には、「有形固定資産の売却による収入」をマイナスするというキャッシュ・フロー項目が入っています。減価償却費は非現金取引なのに、なぜこのような設定になっているのでしょうか。
これは、有形固定資産が貸方に入力された場合、売却があったものと考えるために、「有形固定資産の売却による収入」をプラスするというキャッシュ・フロー項目が入っていることに対応するためです。すなわち、(借)減価償却費 10,000 / (貸)有形固定資産 10,000
例えばこの仕訳が入力された場合、貸方に有形固定資産が10,000入力されているために、「有形固定資産の売却による収入」が10,000計上されてしまうことになります。これを相殺して非現金取引とするために、減価償却費の借方に入力があった場合に「有形固定資産の売却による収入」を-10,000計上する仕組みになっています。